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「では聞こう。カレーとは何だ」前編

タイトルの台詞はかの有名な海原雄山氏の物である。
ある街場のカレー屋にいつものごとく運転手付きの車で乗り付けた海原雄山。
いきなり店主をつかまえて問うた、というか難癖を付けた台詞がこれである。
そしてあっけにとられる店主を尻目に悠々とご帰還、という実に初期の海原氏らしさ満点のターンであった。

カレーとは何か。
これはカレー、特にインドカレーに少し詳しくなった者の前に必ずと言っていいほど立ちはだかる最初の難問である。
インドカレーと言って最初に人々が出会うのは、キーマカレーとかチキンカレーとか、あるいはバターチキンマサラなるものとかであろうか。
そのあたりはまあいいのである。
どんだけ店が抹香臭かろうと給仕の人間の肌が褐色であろうと、そして食べ慣れたライスではなくナンを伴っていようと、それらのカレーは日本人が子供の頃から食べ慣れたカレーと本質的にはあまり変わらない。
せいぜい、いわゆるサグカレーの緑色に多少たじろぐくらいであろうか。
しかしそれとて食べてしまえば何のことはない、普通にカレーである。

しかしその先に歩を進めると次第に雲行きは怪しくなっていく。
どう見ても香辛料入り肉野菜炒め。
どう見ても黄色い色付きマッシュポテト。
そのあたりまではまだいい。
形態はともあれ食べると確かにカレー味だからである。
ところがそれで安心していると今度は、
どう見てもただのキャベツ炒め
どう見ても煮すぎて形の崩壊したただのオクラ
豆を煮ただけのぼんやりとした汁
怪しい具の入った生温かいヨーグルト
やたら辛くて酸っぱいだけのお湯
といった難敵が次々と立ち現れてくるのだ。

誰しもが思う。
これってカレーなの?
ところがそれらはやっぱりカレーなのである。
カレーとはいったい何であるか。

私はこれまでそう言った問いに対しては
「ゴハンにかけて美味しければなんでもカレーって事でいいのではないか。」
と答えてきた。
その疑問に対する答としては何がしかの本質を捉えた答だと思っている。

しかしちょっと考えればわかるが、これは定義としてはあまりにガバガバである。
第一こんな答では、酒場トークで酔っ払いを煙に巻く事はできたとしても、海原雄山氏を納得させる事は到底不可能である。
あの高笑いと嘲笑と侮蔑に溢れた眼差しは氏の重要なキャラクターではあるが、それを自分が浴びて平気でいられるほど私のメンタルは強くない。
私は決意した。
理論武装が必要である。

つづく



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豆を煮ただけのぼんやりとした汁

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イナダシュンスケ

Author:イナダシュンスケ
業態開発とメニュー開発を中心に飲食店の雑用全般。enso / Erick south / Erick curry などなど。
ただしこのブログは完全プライベートであります。
偏り気味の食文化論、役に立たない食べ物ウンチク、飲食店の愉快でトホホなリアルライフ、そしてたまにはヒット数稼ぎの阿漕なレシピ公開、好きなものを好きと言うだけの中身の無い雑談、などをだらだらと垂れ流す予定です。
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https://twitter.com/inadashunsuke

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