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30種類のスパイスを使ったカレー、 その30種類とは? 中編

スパイスの種類の多さをアピールしているような類のカレーは実際のところ、食べてみると極めてオーソドックスなカレーである事がほとんどだ。
なぜそうなるのかというのにはちゃんと理由もあるのだが、それは追い追いとして、今回推定するそのスパイスの中身も、実際になるべくオーソドックスな仕上がりになるようにという基準を優先して選んで行く前提としたい。
オーソドックスなカレーという意味では先ず基本の4種類のスパイスが特定されよう。

1.コリアンダー
2.クミン
3.チリ
4.ターメリック

これは言わば四天王である。
狭義のカレーには必ず入っていると言っていい。
そして、配合の割合という意味で言うとこの4種類の合計だけでスパイス総量の80%程度を占める事が普通である。
逆に言うと20%を残りの26種で配分しなければいけないということだ。
一人前のカレーのスパイスを5gとして、1gを26種で分けるという事になる。
これが何を意味するか、察しの良い方はもうおわかりかもしれない。

さて続きだ。
この四天王はカレーの言わば土台となる役割を果たしており、香り自体は比較的おだやかな物が多い。
そこで次に来るのがカレーならではの特徴ある香りを主に担うスパイス達だ。

5.カルダモン
6.クローブ
7.シナモン
9.ブラックペッパー

これらは言わば闇の四天王とでも呼ぶべきスパイスである。
一つ一つの破壊力が極めて高い。
少しでも使い方を誤ると理(ことわり)のバランスは失われ、その力は暴走して世界を取り返しのつかない崩壊へと導く事になる。
カレー以外の料理ではしばしボス級の働きを見せるブラックペッパーすらこの中にあっては四天王最弱だ。
この闇の四天王をいかに制するかが勇者の、じゃなかったカレー職人の腕の見せ所と言ってもいい。
さらにここに

9.フェヌグリーク
10.フェンネル
11.ナツメグ
12.パプリカ

を加えたあたりがインドも日式も共通のカレーのスパイスの定番といったところか。
とりあえずこれだけあれば、まあ、作れないタイプのカレーは無いと言ってもいいのではないかと思う。
そしてこれらはいわゆる「カレー粉」の原料でもある。
逆に言うとカレー粉と呼ばれる物を使うだけでとりあえずここまではほぼ入ると言ってもいいだろう。
カレー粉的な配合という意味ではもう少し付け加えておくべき物がある。

13.陳皮
14.ベイリーフ

これらはインドカレーではまず使われる事は無いスパイスなのであるが、カレー粉、特に国産のカレー粉では定番という事で無視するわけにはいかない物である。
(ベイリーフをインドカレーに使うか使わないかというのはまたちょっと複雑な話があるのだがこれについてはまた後で触れる事になるだろう)

とりあえずここまでが一軍というかメジャーというかそういう存在とお考えいただいてだいたい構わないと思う。
ここから先はマイナー編だ。
このあたりは、インドでも使う地域が限られていたり、日本ではめったに市販されていないような物も登場してくる。

15.アジョワン
16.ビッグカルダモン
17.スターアニス
18.マスタードシード
19.ヒング
20.ポピーシード
21.カロンジ
22.キャラウェイ
23.カスリメティ

ここに挙げた物はどれも確かにインド系カレーで使われるスパイスである。
しかし。
私は断言してもいい。
この9種類全てが同時に使われるインドカレーなど絶対に存在しない。
インドカレーの世界で「絶対」という言葉は禁句と言われていて、広大なインドのどこかには例外が「絶対に」存在するなどとも言われるが、私はこれに関してはあえて絶対と言い切っておきたい。
それくらいあり得ない事なのだ。

さてここまで行ってもまだ7つも足りない。
後はひたすら数を稼ぐしかない。
数を稼ぐ方法は3つ。
①本来はスパイスにカウントするべきかどうかが微妙な物をカウントに入れる
②ここまで挙げた物と効果が被るので入れる意味のない物も入れる
③普通はカレーに使わないスパイスも入れてしまう。

24.ジンジャー
25.ガーリック
26.カシア
27.メース
28.白胡椒
29.オールスパイス

あと一つ。
もうなんでもいい。
あとの一つが何であろうと仕上がりの味にはほとんど、いや、全く関係ないであろう事はもはや誰もが想像できるだろう。
その程度のもんなのである。
最初に書いたが1gを26に分けた一つですからね。
カルパシ
ヒハツ
ジュニパーベリー
カー
ディルシード
山椒
何でもいい。

好きにしてください。

わたしはかつてこのブログのなかで、カレーを定義した。
そこにもあるが、インドカレーの場合少ないとスパイス2種類でも成立するカレーがある。
そしてほとんどの家庭的なカレーはせいぜい4〜5種類で作ってしまう。
ちょっと贅沢な肉カレー、それもレストランで供されるようなものだとスパイスの種類もぐっと多くなるが、それでも、この記事のリストの1から8までブラス、9〜23の内から2つ3つから最大多く見積もっても6くらいか、それを選択して加えるくらいであろう。
つまりそれでも10〜14程度。
それ以上になるような物は見た事もないし、はっきり言って

無意味

であろう。
さらに付け足せばカレーの場合、スパイスの種類を増やせば増やすほどそれはありふれた凡庸な味になりやすく、逆にうまく絞れば個性的で印象的な仕上がりになる傾向がある。
スパイスの種類の多さを誇る、という事はすなわち自ら、これは特徴の無い凡庸なカレーである、ということをアピールしているのと同じとも言えるのだ。
ご苦労さんな事である。

というわけで皆様方におかれましてはスパイスの種類の多さアピールが15を超えていたらまずそれはあやしいと思って良い。
怪しくないにしてもそれは極めて凡庸なカレーである可能性が高い。
20を超えたらはっきり胡散臭いと考えたほうが良い。
30ともなればそれは、小学生が言うところの「ひゃくおくまんえん」と同様の物だとお考えいただければ良いと思う。
ハイハイと聞き流す、というのが大人のたしなみというべきであろう。








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コメント

同感です

苦肉の策で、塩ってのもどうですか?
必ず入ってますよね。

あとは、パウダーとホールを分けて書くとか。

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プロフィール

イナダシュンスケ

Author:イナダシュンスケ
業態開発とメニュー開発を中心に飲食店の雑用全般。enso / Erick south / Erick curry などなど。
ただしこのブログは完全プライベートであります。
偏り気味の食文化論、役に立たない食べ物ウンチク、飲食店の愉快でトホホなリアルライフ、そしてたまにはヒット数稼ぎの阿漕なレシピ公開、好きなものを好きと言うだけの中身の無い雑談、などをだらだらと垂れ流す予定です。
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